第8回「CAHPTER7:地方自治体の権能と大都市制度」

 

■事前準備

  • テキストの該当ページを読んでおいてください
  • 宿題(P.115のエクササイズ1)の確認

■レジュメ

1.地方自治体の種類

〇二層制
・基礎自治体:市町村、東京都特別区(23区)
・広域自治体:都道府県
→法的には上下関係ではなく対等
・かつては「郡」が存在し、三層制だった
→府県制、郡制、市町村制
→1921年に郡は廃止されたが、住所や郵便の分類などの地理区分として残っている

〇市町村および東京都の23特別区
・市区町村
→直接公選の首長と議会が設置
→教育、福祉などの行政サービスを提供
・市の要件
→地方自治法に規定されている
・町の要件
→各都道府県の条例で規定されている
→ex.北海道(129町)
・村の要件
→市町以外の地方自治体
→村のない県が13存在する(広島、滋賀、香川)
・東京都特別区(東京23区、東京都区部)
→1943年に廃止された東京市の市域に相当する部分に設置されている(東京35区)
→1947年3月に35区を22区に再編。同年8月に板橋区から分離して練馬区が成立し、現在の23区へ
→制度的な性格は現在もあいまい(あくまで東京都の内部機関という位置づけ)
→地方分権一括法(2000)により、「基礎的な地方公共団体」と位置づけられた
→税財政の違い(固定資産税、都市計画税の徴収。都区財政調整制度の存在)

〇都道府県
・かつては「中央政府の出先機関」
→官選の知事が、各府県で中央政府による政策全体を統括していた
・北海道と府と県の機能的な差はない
・東京都は上下水道、消防を直接提供。県警本部のかわりに、警視庁を設置

〇一部事務組合と広域連合
・一部事務組合
→地方自治体が事務の一部を共同して処理するために設置される法人格を持つ機関
→設置目的はごみ処理、し尿処理、消防、救急など
・広域連合
→広域にわたり処理することが適当であると認められた事務を処理するために設置される法人格を持つ機関
→設置目的は後期高齢者医療、介護区分認定審査、障害区分認定審査
・関西広域連合の存在
→事務を垂直保管、水平的連携することによる自治体の生き残りが必要な時代

2.地方自治体の権能

〇権能からみた関係
・都道府県と市町村の機能分担
→都道府県は警察行政や義務教育の人事などで重要な役割
・権限の一部移譲
→政令指定都市、中核市、特例市
・東京都特別区の立ち位置
→中核市並みの権限を持つ(保健所の設置が可能)
→政令市並みの人口(50万以上)があっても、権限は持たないので不満もある(世田谷など)

〇融合型の地方自治
・ほとんどの政策分野が融合的
→中央と地方が協働して政策を実施している
・アメリカやイギリスは分離的

3.大都市制度

〇大都市制度
・政令指定都市
→旧五大市の政令市への移行(1956年)
→2017年時点で20市存在
→多くの市にとって、「昇格戦略」が重要

〇区による行政
・政令市では「区による行政」が実施(23区とは違う)
→公選区長や公選議会を持たない「行政区」
→大都市の住民に対してきめ細やかに対応するための制度的な措置
→行政区はあくまで市の内部機関
→2014年に総合区制度が導入

〇中核市と施行時特例市
・中核市の特徴(30万以上→20万以上)
→保健所行政の実施

〇施行時特例市(20万以上)
・2000年に施行されたが、2014年の地方自治法改正によって終了

〇保健所の存在
・政令市、中核市とそれ以外を分ける要因
・医師、獣医師、保健師などによって公衆衛生に関する業務を実施
→調理師免許の交付、飲食店の営業許可、社会福祉施設への栄養指導、水質検査、公害対策、美容・理容店の営業許可、野犬や野良猫の処理(保護、殺処分など)
・保健所行政の展開は、市に高度な運営能力が必要
→新型インフルエンザ(2009年)、新型コロナウイルス(2020年~)

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