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第7回「CHAPTER6:地方自治体の組織編制」

 ■事前準備 テキストの該当ページを読んでおいてください 宿題(P.98のエクササイズ2)の確認 ■レジュメ 1.どのような原理で地方自治体の組織は編成されているか」 ○地方自治体組織に対する規制 ・2003年まで存在した規制 →都道府県の知事部局は「局・部」、市町村長の部局は「部・課」と決まっていた ・中央省庁のカウンターパートとしての役割 →総務部は自治省、衛生部は厚生省、といった形で対応する →しかし、縦割り行政の原因であるとの批判 〇執行機関多元主義 ・執行機関=首長部局、行政委員会、事務局 ・複数の執行機関の存在 →首長が直接関与しないことによる公平性、専門性、政治的中立性の確保 ex.教育委員会、人事委員会、公安委員会、選挙管理委員会 ・行政委員会は合議制が基本 →事務局の設置が可能だが、必置の規定は少ない(教育委員会は事務局必置) ・議会にも事務局が存在する →都道府県は必置、市町村は任意 ・独立性/専門性と効率性のジレンマ ex.選挙管理委員会 2.図でみる地方自治体組織 〇庁舎の配置(ex. 島根県 ) ・本庁舎と分庁舎 ・議会議事堂 ・県警本部 ・おまけ → 香川県の庁舎配置図 → 県庁舎内各課配置図 3.地方自治体組織の新たな姿 〇組織のフラット化 ・フラット化のねらい(ex.静岡県) →横割り組織への以降 →目的指向型の組織体制、迅速な意思決定、柔軟な組織運営など →課(20人~50人)を廃止し、仕事単位の室(10人程度)への移行 ex.『 シン・ゴジラ 』の巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対) ・フラット化の効果(ポジティブ) →事務の処理期間の短縮(決裁で必要な根回しやハンコが減るから?) →室長の誕生と役割の変化 ・フラット化の効果(ネガティブ) →室同士の調整が必要となったことはメリットとは言い難い →職員の人材育成やマネジメントの問題 ・知事の代替わりがきっかけでフラット化が進むことが多い →長野県の村井知事、佐賀県の古川知事、山口知事 〇組織の多様化 ・静岡県の地域外交局 →海外との交流を目指した組織 ・高知県の危機管理部 →南海トラフ地震などを念頭に置いた組織 ・埼玉県のスポーツ局長 →ラグビーW杯(2019年)や東京オリパラ(2021年)を念頭に置いた組織 ・首長部局の変化が大きい →「改革」に着手しやすい →組織改革は予算

第6回「CHAPTER5:条例制定」

 ■事前準備 テキストの該当ページを読んでおいてください 宿題(P.80のエクササイズ1)の確認 ■レジュメ 1.条例とは ○条例についての概説 ・条例=地方自治体が独自に制定できる法規 ・横出し条例と上乗せ条例 →横出し:国の法律で規制されていない範囲についても規制を広げる(ex.環境規制) →上乗せ:規制の基準を厳しくするための条例(ex.施設の設置基準規制) ・条例の波及効果(ex.景観条例) →条例制定に必要な準備や作業が明らかになったことで、他の自治体に広がる(政策の相互参照) →国レベルに広がり、法制化される場合も(ex.情報公開条例) →自治体におけるパートナーシップ条例の広がりも、最終的には国レベルへの波及を目標としている(同性婚の法制化)と言える 2.条例制定の主体 〇主体は3者:首長、議会、住民 ・実際の9割以上は首長提出 →とはいえ首長の意思が強いとは限らない ・議会も出せるが数は少ない →議会は主として首長が提出した条例案への議決という形で影響力を行使する →議会が首長に働きかけて条例化するパターンはある(ex.2001年「三重県リサイクル製品利用推進条例) ・住民についてはp.75を参照 3.条例制定の過程 〇8つの過程 ・どのように政策課題が認識され、選択されるか ・条例案が策定される過程(調整や整合性、根回し) ・条例案の決定と審議、議決、可決後の条例交付 4.条例制定の実際 〇千代田区生活環境条例の制定過程(2002年) ・安全で快適な生活環境の維持を目的とする条例 →路上での喫煙の規制が主目的 →昼間人口の多さ(90万~100万人)に対するアプローチ ・2001年に条例の検討開始 →検討組織の設置、原案の作成、警察署や地検との協議 ・2002年に千代田区長が条例制定の方針を発表 〇札幌市公契約条例の制定過程(2013年) ・首長主導の条例案だったが、否決された例 ・業界団体からの反発により、修正案の提出 ・賛成派、反対派の攻防 ・自民、公明、市政改革・みんなの会が反対し、否決 〇宮城県における「みやぎ発展税」導入(2007年) ・慢性的な税収不足に対し、2005年に当選した村井知事が主導 ・地元企業の反発と説得 ・最終的に知事与党の自民、公明が賛成し、可決 5.条例案可決の規定要因 〇4つの要因 ・首長の意志 ・議会多数派の同意 →